パリオリンピックへ向け「攻守とも、これまでとの違いを見せたい」という及川栞
(写真は2022年のSOMPO JAPAN CUP/大井ホッケー場にて)

さくらジャパン、パリへ走る! 選手ストーリー・DF 及川栞 ③

 

PROFFILE
及川 栞 [東京ヴェルディ/タカラベルモント(株)]
おいかわ・しほり。
1989年年生まれ、岩手県岩手町出身。
身長165cm。ポジション=DF。
沼宮内小→沼宮内中→不来方高→天理大→ソニー→オラニエ・ルード(オランダ)→東京ヴェルディ→ キャンベラ・チル(オーストラリア)→東京ヴェルディ/2022年1月よりタカラベルモント(株)所属 
⚫︎ 2013年に日本代表初選出。
日本代表大会出場暦:
東京オリンピック(2021)、
アジア大会(2014、2018、2023)、
ワールドカップ(2014、2018、2022)、
ネーションズカップ
(2013、2015、2017、2022、2024 ※2017まではワールドリーグ)。
日本代表キャップ186(2024/6/30時点)。

 

日本の初戦は7月28日のドイツ戦。パリオリンピックに臨むホッケー女子日本代表・さくらジャパンの主力選手、及川栞の思いを聞く。最終回の今回は、ホッケーと自身について。 [構成・写真/JHA]

東京から変えた自分の身体をパリで試す

――東京2020大会から3年間、いち選手としてはどんなマインドで過ごしてきたのでしょう。オリンピックありき、でしょうか。

うーん。まずは、何かを変えないとパリまではやっていけないと感じていました。まず、トレーニングを変えた。陸上競技の飯塚君(翔太氏・短距離)とのご縁があって、情報交換する中で色々と…。結果、体の使い方を変えました。

もともと、自分の身体に対して「もっと良くなれる」という感覚はありました。コロナ(新型コロナウィルスの感染拡大期)を超えても、体力測定の値は向上していたし、ピッチ上で相手と戦っている時の感覚も悪くなかった。自分のポテンシャルを信じて、「まだ、上げられるな」「より良くなれるな」と感じていました。

 

――新しい体づくりの効果は、いかがですか。

感じています。やり方を変えてから1年、2年経って違うのは、切り返し(止まって戻る)の速さとか、かわされた時についていく力。ランニングそのもののトレーニング、神経系のトレーニングも合わせて、やってきたことが表れていますね。年齢を重ねても、プレーのクオリティは高めていけることを、身体で証明できている。

 

――具体的にはどんなトレーニングを。

低酸素の状況で走る。短い距離でどこまで最高スピードを高められるかを意識するもの。
走るキャパシティそのものを上げるための高地環境のトレーニング。
ランについては専門のトレーナーにもついていただきました。

 

――身体の使い方、というのは。

すごくシンプルに言うと、体幹を使うこと。

たとえば腕立て伏せをするにしても、腕の力で上げるのではなく、もっと根本(ねもと)の部位を使って上体を持ち上げる意識を持つ。腕は「肩についている」のではなく、「肩甲骨の下から生えている」イメージで動いてみる。その感覚が、全身の連動性につながる。ボールを打つ動き一つにも、身体のしなりを使えるようになりました。根本から動くからブレがなくなる。前よりもボールが安定して飛んでいくように感じています。

 

――3歳から染み付いてきただろう動きをアップデート(更新)できるのが、まずすごいですが。トップ選手の身体の使い方が変わるって、ご本人にとっても、すごく新鮮でしょうね。

東京(オリンピック)からこっち3年は、新しいことがすごく多かった。まったく飽きがなくて、ワクワクして過ごしてきました。発見も多い。まだまだ、体が動く限り、いろんなことを学びたい。

パリは、チームがいかに脱皮したかを見せる舞台でもあるし、私自身にとっても、東京以来変えてきた身体の違いが試せるステージ。めっちゃ楽しみです。

 

ホームの品川に。パリから「らしさ」届ける

――及川選手は、お住まいも品川区だと聞きました。

2019年から、です。23区の中でもがやがやした所だと思っていたのですが、住んでみたらとても落ち着いていて好きです。ファミリー層も多いんですね。ホッケー体験などで接する子どもたちは積極的で、チャレンジしようとする子が多い。これは他の場所とは違うなと感じることの一つです。

 

――最後に、品川の人に、ここを見てもらいたい! というチームの特徴を教えてください。

 さくらジャパンの強みは、高い位置でハイプレッシャーで奪うこと。そこからスピーディーに繋いで、チームでフィニッシュすること。ホッケーを知らない人にも楽しんでもらえると思います。ホッケーは、ボールスピードが他のどのフィールド競技よりも速い。それをスティック一つで繋いでいくパスワークも、日本らしさが出るところです。

「チーム ファースト」を大切にしてきた私たちのチームワークを見てほしい。

そして、あきらめない姿を見てほしい。

一つひとつのプレーにも、それは表れるはずです。

[終わり]

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