2024年07月18日
さくらジャパン、パリへ走る!〜 選手ストーリー・DF 及川 栞 ① 〜

初代表選出は2013年。35歳の最年長選手は、チームでいちばんの元気キャラでもある
(写真は東京2020大会時、大井ホッケー場にて)
さくらジャパン、パリへ走る! 選手ストーリー・DF 及川栞 ①

ホッケーを始めたのは3歳の時。元日本代表だった母の影響が大きい
(写真は2024年ニュージーランド遠征)
| PROFFILE 及川 栞 [東京ヴェルディ/タカラベルモント(株)] ⚫︎ おいかわ・しほり。 1989年年生まれ、岩手県岩手町出身。 身長165cm。ポジション=DF。 沼宮内小→沼宮内中→不来方高→天理大→ソニー →オラニエ・ルード(オランダ)→東京ヴェルディ →キャンベラ・チル(オーストラリア) →東京ヴェルディ/2022年1月よりタカラベルモント(株)所属 ⚫︎ 2013年に日本代表初選出。 日本代表大会出場暦: 東京オリンピック(2021)、 アジア大会(2014、2018、2023)、 ワールドカップ(2014、2018、2022)、 ネーションズカップ (2013、2015、2017、2022、2024 ※2017まではワールドリーグ)。 日本代表キャップ186(2024/6/30時点)。 |
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7月、パリでオリンピックの舞台に臨むホッケー女子日本代表・さくらジャパンの主力選手。2013年から日の丸を胸に、粘りのディフェンスと確度の高いスティックさばきでチームを支える及川栞選手をクローズアップする。コートでの呼び名は「しー」。35歳のベテランにして、2016年には、27歳にして単身、強豪リーグのオランダ1部へ挑戦し、日本女子ホッケー初のプロ選手となった(2018年)。オリンピック東京2020後も成長をやめないアスリートに、チームと自身について語ってもらった。
[構成・写真/JHA]
オランダから戻って感じたギャップ
――パリ五輪に向けてチームでの準備が進んでいると思います。一方で及川選手は、フィールド外でも活躍しています。メディアに積極的に発信をしていて、ホッケーの伝道師のような存在。原動力として、オランダでの経験が大きいと聞きました。
オランダに渡ったのは、2016年のリオ五輪での代表落ちの後でした。自分自身、ホッケーを心から楽しみたいと思い、企業チームを出る決断をしました。オランダは東京オリピックでも金メダルを獲ったトップ国。向こうでプレーできる確約なんてなかったし、今思えば大きなチャレンジでした。2018年にはプロ契約を結ぶことができました(日本女子初のプロ選手に)。3シーズン、リーグ内でもトップレベルのチームでプレーしました。オランダは、社会の中でホッケー選手としての価値が認められていて、アスリートであることの誇りを感じられる場所だった。
日本に帰ってきてあらためて感じたのは、選手としてはもちろん、ホッケーそのものの認知の低さでした。ホッケー選手ですと自己紹介しても、アイスホッケーやラクロスと混同される。「あれっ」と。何か自分なりのアクションをと思っていたところ、2022年の1月からお世話になっている、タカラベルモントと出会うことができました。
競技自体は、いちど観たら結構楽しいじゃん! と思ってもらえるスポーツ。それを広げていきたいという私の思いとホッケーを、会社として応援していただけることになりました。そこからは、ネットでラジオ番組のフォームに入って売り込んで出演に漕ぎ着けたり、自分で行動してホッケーを皆さんに知ってもらう活動を続けています。
――プロ選手としてプレーしてきた生活から、フィールド外ではホッケー界の広報部長を買って出ている。そちらの活動を、会社が支えてくれているのですね。
もう、自分が動かないと何も変わらないと感じて。日本では他の多くのスポーツと同じく、ホッケーのシニアレベルの活動は企業チームが支えています。私自身もかつてはその一つに所属して社員としてプレーしてきました。今は、企業ではなくクラブチーム(東京ヴェルディ)。現役選手としてプレーしながら、フィールド外ではメディアなどを通してホッケーを売り込んでいく。クラブチームだから、そこは自由にやらせてもらえています。
今、自分が感じている普及に対する意欲や行動が、プレーすることと両立できず「持ち腐れ」みたいになるのは違うと思った。「外」だけではなく、ホッケーの次の世代に伝えていきたい。自分が現役でやっているからこそ伝わることも多い。その両方のチャンネルを持って動けるのは、今しかない。私しかできない。
フィールドの中と外。二つのチャンネルで
――選手としての自分と、ピッチ外での普及、認知活動と。二つが相乗効果を生んでいるんですね。両立がしんどい! と感じることはないのですか。
いつの間にか、それが自分の役割になっているような。選手とそれ以外の活動と、両方あることが、今ではやりがいになっています。選手としても、人に見てもらうことで力が出るタイプ。大舞台の方が、ふだんは出なかった一歩が出たり、取れなかったボールが取れたりする方です。周りからパワーがもらえるからこそ楽しくできる! という感覚があります。
プライベート、と言いつつ、そこを会社がサポートしてくださるのでありがたい。いろんな企画を準備から手伝っていただいています。もともと私、美容に興味があることもあって、会社に行くのも、仕事…というよりは興味のあること、やりたいことをしにいく感覚。会社としても、そうやって私が生き生きしている姿、ヘルシーなイメージを評価して、前面に出してくださっています。モデルとしても起用してもらえたり。
――会社には週何回、出勤するのですか。
オフィスに行くのは週1回。外でも、取材を受けたり収録があったりするので、先週は会社の方と一緒に、月曜から木曜まで外を回っていました。
――! かなりの数をこなしているのですね。オリンピックに向けたものが多いのですか。
そうですね。実は明日から(取材日は5月22日)代表合宿で、6月11日までは日本に帰ってこないんです。なので、メディアの仕事をこの時期にまとめてもらいました。(5月)26日までは国内合宿、27日からはスペインで国代表の大会に参加します。プロリーグという、世界トップ10か国の代表チームの大会があるのですが、日本はその一つ下のネーションズカップという大会で、昇格を目指します。1位になれば自動昇格。プロセスも結果も求めたい
(大会結果は5位。詳細はこちら)。
――それはまた、重要な大会がこの時期に。
はい! 定期的に強豪国と戦える環境を作ることは大切。次の世代に残したいものの一つです。それを終えると、6月30日のSOMPO JAPAN(韓国戦@大井ホッケー場)。私たちにとって、本番前の最後の試合になります (結果は日本2-1韓国)。
パリに向けて、7月10日にはヨーロッパへ向かいます。韓国戦を、日本で応援してもらえる中で行なえることはとても幸せなことだし、多くの応援の中でできたら、大会へのモチベーションもより高い状態でパリに向かえる。韓国戦後も、チームとしての発信はしていくと思います。応援をよろしくお願いいたします!
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